【優先席の一考察】椅子取りゲームやめませんか?
初めての妊娠をきっかけに、『公共交通機関の優先席』について感じたことを書きたいと思います。
優先席は椅子取りゲーム
- 優先席とは
- 妊娠中に感じたこと
- 優先席は空けておきませんか?
①優先席とは
優先席(ゆうせんせき)とは、鉄道車両やバスなどに設置されている、高齢者・障害者・体調不良者・妊婦・乳幼児連れ(ベビーカー含む)などを、椅子への着席を優先・もしくは促す座席である。
参照:Wikipedia
優先席があることは本当に素晴らしい仕組みだと思います。
筆者は妊娠して初めてそれを強く意識しました。
妊婦さんだけでなく、高齢の方や体の不自由な方にとってもとても大切だと思います。
妊娠をすると、つわりがつらい前期から、お腹が大きくなる後期まで、体を休ませられたり座れたりする方がありがたいのです。
特にお腹が目立たない期間は、妊婦マークをつけていてもわかりにくく、席を譲られることはまずないですし、比較的座りやすい優先席を探すことが多くなります。
②妊娠中に感じたこと
▶『優先』には『譲る』がつきものなの?
実際に筆者が公共交通機関を利用していて、感じたことを臆せず率直に表現しますと、
優先席に座ってる、優先が必要じゃなさそうな人多すぎやんけ!!!!!
です。笑
座っていただくのは構わないのです。
優先を『促す』席なのだから。
他の座席がいっぱいになったら、優先席だって座席なのだから座ったって問題ない。
妊娠するまではそう思ってました。
問題はもちろんありません。
若かりし自分自身も、優先席に対する意識はそのようなものだったと思います。(過去の自分への反省の言葉でもあります。)
とにかく優先席が空いていないのです。
もちろん優先席に座ってる人の前に立ち、イヤホンで音楽を聞いてる人、寝ている人に声をかけ、『譲ってくださいませんか』と言えばいいことなのかもしれません。
譲ってくださいと言う一言で、譲るつもりで座ってる人もいるのかもしれません。
ですが、遠慮してしまうのが人間の性ではないでしょうか。
人とは体調が悪い時ですら、『大丈夫、大丈夫!笑』といって頑張ってしまう生き物ではないでしょうか?
とにかく優先席が空いていないのです。(すみません、もう一度言いました。笑)
体調が優れない時に、『譲ってくださいって言おうかな』と葛藤するのも、伝える挙動も面倒に感じるのです。
その工程を踏むなら、つらいけど我慢してしまおうということもありました。
優先席はとても素晴らしい仕組みです。
ですが、今の『優先席』には『譲り合い』がつきものの前提であるのは、『優先的に座る必要のある人』を『席を譲ってほしい人』にしてしまう印象がしました。
大の大人が席を譲ってほしいなんて、お願いがしにくいと感じる人もいるかもしれません。
席くらい…なんて我慢してしまう人がいるかもしれません。
優先席の本来の役割が果たされているのでしょうか?
▶譲ってくれてありがとうの気持ち
妊娠マークをつけて電車に乗るようになり、嬉しい出来事もありました。
やや混み合っている電車で、幾度か席を譲って頂くことがありました。
思い出すと、席を譲って頂いた方はやや年上の女性が多かったと感じます。
本当に尊敬と感謝を感じました。
逆を言うと、男性サラリーマンの方の前に立ってもほぼ妊婦だと気づかれません。笑
席を譲られることはありませんでした。
お腹が大きくても、妊婦マークをつけていても、然程周囲の他人に関心がなかったのか、気づいても気づかぬふりをされたのか……。笑
本当に失礼なことを言うと、中堅管理職以上の年齢層で、所得も良さそうなおじさまは絶対譲ってくれませんでした。笑(筆者の時は、の話です。失礼致します。笑)
世の中のサラリーマンは、きっとお疲れなのでしょう。笑
筆者は席を譲って頂いた際には、遠慮はしない代わりに感謝を沢山伝えることにしています。
しっかり目を見て、マスク越しでも笑顔で『ありがとうございます』と言うことを心がけました。
『気づいてくれてありがとうございます。』
『勇気を出して声をかけてくれてありがとうございます。』
『お心遣いが、優しさが、本当に嬉しいです。』
色んな気持ちを込めます。
譲ってくれること、優しい気持ちに出会えることは当たり前ではないから。
③優先席は空けておきませんか?
公共交通機関の座席に対して筆者が思うことをまとめます。
・優先席はできる限り空けておく
・妊婦さんや辛そうな人には席を譲る声掛けをする(健康な自分が壁を作らない)
▶優先席はできる限り空けておく
電車の座席などは、混雑すると椅子取りゲームのようになってしまいますよね。
殺伐とした空気が流れることもあります。
優先席であっても、とりあえず座れれば良いという考えになりがちだとは思います。
ですが、優先席は空けておくことが優先を必要とする人にとってありがたいことだと思うのです。
筆者は、もし自身の体調に悪いところがないのなら、優先席に座ることは今後遠慮しようと思っています。
本当に必要な人が座りやすい空間にすることも大事だと思うのです。
『必要そうな人がいたら』
『声をかけられたら』
その時は譲ろう。だから今だけ座ろう。
……の気持ちで本当に譲ったことが何回あったでしょうか?
その場で必要そうな人を探したでしょうか?
探しもせず存在に気づけたでしょうか?
それならいっそ、座らずに空けておくことが、優先席の本来の使い方で活用されるのではないでしょうか?
椅子取りゲームをやめて、優しい声掛けが生まれる空間へ一歩でも近づければと思います。
▶妊婦さんや辛そうな人には席を譲る声掛けをする(健康な自分が壁を作らない)
辛そうな人、我慢している人の心の壁を超えられるのは周りにいる人のたった一言だと思います。
筆者は、小心者で恥ずかしがりやなので、見ず知らずの人に話しかけたりすることは、今までまずありませんでした。
ですが、妊娠中に見ず知らずの方に声をかけて頂いて、自分が感じていた恥ずかしさなど以上に、相手の気持ちが動くことを感じました。
『お座りになりませんか?』
『お辛くないですか?』
体調が凄く凄く悪いわけではないけれど、ちょっとでも座れるとありがたい時に、言ってもらえて嬉しい気持ちになりました。
今はコロナウィルスもあり、話しかけたりすることが憚られるかもしれません。
ですが温かい気持ちは嬉しいものです。
筆者自身が声掛けをして、もしその人も同じ気持ちになってまた他の誰かに声掛けをしていったら、温かい言葉がどんどん増えていくのでは…などと淡い期待も込めて。
思い込みや善意の押し付けは良くないですが、『まずは一声から』を心がけていきたいです。